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いい相続のために今からできること。相続財産の整理と家族とのコミュニケーション

2024年1月22日

 

 

「相続トラブルは一部の特別な家族だけに起こる」というイメージはないでしょうか。
ところが、相続トラブルが起こる原因はどうような家族にも存在し、起こり得ます。
そこで、この記事では相続トラブルの原因とトラブル防止のポイント①相続財産の整理、②家族とのコミュニケーションについて解説します。

相続トラブルの原因とトラブル防止のポイント

相続トラブルはどのような家族でも起こり得る

総務省の調査では、世帯主が65歳以上の世帯における貯蓄金額の平均値は2,414万円、中央値は1,677万円となっています(2022年調査時点)(※相続財産には貯金以外の財産や借金などの負債も含まれるため、実際には貯蓄金額がそのまま相続財産の額とイコールになるわけではありません)。
対して、裁判所の統計によれば、2022年に裁判所へ持ち込まれた遺産分割事案の総件数6,857件のうち、遺産総額が1,000万円以下のケースが2,296件(約33%)、1,000万円超5,000万円以下が2,935件(約43%)だったということがわかっています。
これらは、相続トラブルがいわゆる「普通の家族」にも起こり得ることを表しています。
※参考①:裁判所│令 和 4 年司 法 統 計 年 報3 家 事 編
※参考②:総務省統計局│家計調査報告(貯蓄・負債編)

また、相続の手続きは複雑で、どうしても膨大な手間と時間が掛かります。それに加えて、相続財産の分け方を家族で話し合うことが心理的に負担だと感じる方も多くいらっしゃるようです。
そのようなストレスを抱えながら話し合いを進めるうち、もとは仲の良かった家族がお互いに対立してしまうケースも珍しくありません。

相続トラブルの原因になり得るパターン

相続でトラブルになってしまう原因は、主に次の4つに分けられます。

① 相続財産の内容や状況
② 家族の関係性
③ 家族がそれぞれ置かれている状況
④ 遺言書の内容

①について、特にトラブルの原因となりやすいのは不動産です。
遺産分割で不動産を分けるには、まずはその不動産の価値がいくらなのかを適切に評価する必要があります。また、不動産は現金のように単純に分けることができないため、「不動産をこのまま保有するか売却するか」「誰が不動産を引き継ぐのか」「不動産を引き継いだ相続人とその他の相続人との間でどのように公平性を保つか」など考えることが多く出てきます。
そのため、家族間で意見の食い違いが起きやすいのです。

評価や分け方が難しいという意味では、株式などの有価証券も同様です。

②について、遺産分割協議(相続財産の分け方を決める話し合い)は、相続人全員が参加しなければ行えません。一人でも欠けている相続人がいると、その遺産分割協議は無効になってしまいます。
そこで、相続開始後、相続人に当たる家族のうち連絡のつかない人がいる場合には、遺産分割協議が始められず困ることがあります。
また、相続財産をどのように分けるかは遺産分割協議に参加した相続人全員の合意によって決まります。家族の関係性が良好な方が合意に至りやすいことは言うまでもありません。

③ついて、相続財産の分け方について家族それぞれに言い分があり話し合いが長引く場合があります。
例えとして、子どもの一人が「自分は親の生前に介護(または援助)をしたから遺産を多めにもらう権利がある」と主張するケースがあります。
また、亡くなった方の財産を家族の誰か一人が管理していたような場合には、他の家族から「財産を勝手に使ったのではないか」との疑いをかけられてしまうケースもあります。

④遺言書の内容については、一見不公平な内容の遺言がされた場合に問題が生じ得ます。例えば、父親が「全ての財産を長男に相続させる」という遺言を残した場合に、妻や他の兄弟が納得できず「その遺言書は無効である」と異議を申し立てるケースなどです。

トラブル防止のポイントは①相続財産の管理、②家族とのコミュニケーション

前述したトラブルの原因を乗り越えトラブル防止を図るにはどうすれば良いのでしょうか。
ポイントは次の2点です。

① 相続財産の整理
② 家族とのコミュニケーション

以下、順に解説していきます。

トラブル防止のポイント①│相続財産の整理

相続財産の整理が大切な理由

前提として、どのような財産がどれだけあるかわからない状態では、家族間で相続の話し合いをすることも、相続に備えることもできません。

相続が開始してから相続財産を調査することも可能です。ただ、相続開始後は他にもやることが多い上、限られた期限内にそれらを完了する必要があります。また、本人が亡くなった後で取引のあった銀行、有価証券の発行元、金融機関などを特定しそれら一つひとつに問合せをするのは大変です。
ご自身の将来の相続が気になる場合やご家族に高齢の方がいらっしゃる場合には、できれば早い段階で財産状況を整理されることをおすすめします。

また、将来相続財産になり得る財産を整理し家族みんなで把握しておくことがお互いの信頼関係につながり、トラブル防止にもつながります。

相続財産を整理する方法

相続開始前にご本人とご家族が協力し以下の整理をしておけば、将来の相続がよりスムーズになりトラブル防止につながります。

① 将来相続財産になり得る財産の洗い出しをする
② 財産目録を作成する
③ 必要に応じて財産を処分し、または管理する人を決める
④ 必要や本人の希望に応じて、遺言書やエンディングノートを作成する

①について、相続財産になるのは相続開始時点で相続人が保有している全ての財産です。
預貯金、現金、不動産、有価証券、家具や貴金属などの動産、債権(他者に対して、金銭の支払いなど特定の行為を請求する権利)などの他、借金やその他の債務(他者に対して、金銭の支払いなど特定の行為を提供する義務)といったマイナスの財産も含まれます。

②について、財産目録には以下の項目を記載します。

 財産の種類・地目
 財産の特定に必要な情報
 財産の数量・面積・持分
 財産の評価額(評価時点も必ず記載する)
 その他特記事項

各項目の詳細や書き方については裁判所の書式と記載例が参考になります。
※参考①:裁判所│相続財産目録
※参考②:裁判所│相続財産目録記載例

③について、不要な財産はあらかじめ処分しておくと後がスムーズです。
また、特定の人に譲りたい財産がある場合にはその財産を生前贈与することもできます。

ご本人や高齢のご家族について、将来認知能力が低下し適切な財産管理ができなくなる不安がある場合には、任意後見制度や家族信託を使って財産を代わりに管理する人を決めておく方法もあります。

④について、遺言書を作成しておけば、将来の相続は原則としてその内容通りに行われます。ただし、遺言書は法律で決められたルールに則って作成しなければ無効になってしまうため注意が必要です。
エンディングノートには遺言書のような法的効力はありませんが、財産の状況や本人の意思を書き残しておくことで将来の相続を円滑にすることができます。

トラブル防止のポイント②│家族とのコミュニケーション

家族とのコミュニケーションが大切な理由

日頃から家族とのコミュニケーションをとっておくことで、いざ相続が開始された際に相続人の確認や話し合いを円滑に進めることができます。
また、家族で相続財産について話し合う心理的ストレスも軽減できます。

家族とどのようなコミュニケーションをとるべきか

具体的に、家族とのどのようなコミュニケーションが相続トラブル防止につながるのでしょうか。

① 家族間で定期的に連絡を取り合う
② 遺言書を作成する場合は、本人から家族に意思を説明する
③ 介護や財産管理について家族間で状況を共有する
④ 家族みんなで相続の手続きや法律を理解する

①について、家族間で定期的に連絡を取り合っていれば、他の相続人の所在がわからない、連絡がつかないといったトラブルを避け、遺産分割協議をスムーズに開始することができます。

②について、遺言書に掛かれた相続財産の分割方法についてあらかじめ本人から説明がなされていれば、遺言書への不信感や不公平感が解消され、トラブル防止につながります。

③について、家族の誰かが介護を担当する場合には家族みんなで介護に関する話し合いの場を持ち、介護による負担や貢献(介護サービスの利用料が抑えられたなど)の状況を共有しておきましょう。
また、家族の誰かが本人に代わり財産を管理することになった場合には、管理を委託する(引き受ける)時点で本人の財産を一旦整理し、家族みんなで確認しましょう。また、財産の管理状況についても任せきりにせず、定期的に家族で共有するようにしましょう。
このようにすることで家族の間に理解と信頼関係が生まれ、相続の話し合いがスムーズに進むようになります。

④について、相続の話し合いが進まないもう一つの原因として、家族間で相続に関する理解が食い違っている場合もあります。
家族みんなで相続について理解する機会を持ち、「どのような準備や手続きが必要か」「誰にどのような権利があるか」などの解釈を一致させることで話し合いがよりスムーズになります。

司法書士に依頼するメリット

司法書士にご相談をいただけましたら、相続全体の流れや今からやるべき準備、相続財産を整理する方法について、相談者様のご事情に応じた具体的なご説明・アドバイスをさせていただきます。
また、ご依頼をいただけましたらプロの視点から遺言書や相続財産目録の作成をお手伝いすることも可能です。
また、相続財産を整理する過程で不動産を生前贈与する場合、不動産を譲ったことの公的な証明として贈与登記(贈与によって不動産の所有者が変わった場合の名義変更手続き)をする必要があります。贈与登記については、登記の専門家である司法書士にぜひお任せください。

まとめ

相続はただでさえ複雑で時間のかかる手続きです。その上トラブルが生じてしまうと、家族が相続のためさらに多くの時間と労力をかけることになり大変な想いをします。
そこで、トラブル防止のため今のうちから相続財産の整理と家族とのコミュニケーションをぜひ心掛けてください。

また、本人や他の家族に相続の話題を出しにくく悩んでいらっしゃる方でも、「我が家の財産について一旦整理しよう」という切り口ならハードルが下がるのではないでしょうか。
家族で相続について考えコミュニケーションをとるきっかけの一つとして、司法書士への無料相談をご利用いただくのも一つだと思います。

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