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[署名(サイン)証明書・在留証明書]海外に住んでいる相続人がいる場合の相続手続や必要書類を解説。

2024年1月29日

 

 

相続が発生した時に、転勤や結婚、留学といったことを理由に、故人の相続人が海外にいるケースは多々あります。

このような場合、海外に住んでいる相続人特有の注意点はあるのでしょうか?もし注意点があるのであれば事前に対策しておきたいですよね。

今回のコラムでは、海外に住んでいる相続人がいる場合の相続手続や必要書類について解説していきます。

相続手続の流れ

相続が発生したものの、故人が遺言書を残していなかった場合は「遺産分割協議」を行い、誰が何をどの程度相続するのかを話し合う必要があります。

遺産分割協議は、相続人「全員」が参加し、「全員」がその内容に同意することが必要になります。

遺産分割協議で故人のお金や不動産といった財産をどのように分けるかが決まった後は、その内容を記述した「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員の署名と実印を押すことが多いです。また、その際に実印の印鑑証明書も添付します。


(遺産分割協議書のイメージ:法務省ホームページ(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001392977.pdf)より抜粋)

仮に誰か1人でも遺産分割協議に参加しなかったり、反対する人がいる場合は、その遺産分割は無効となるので注意が必要です。

相続人「全員」が参加し、同意する必要があるということは、もちろん海外に住んでいる人も遺産分割協議に参加する必要があります。

海外在住の相続人と日本在住の相続人で必要な書類が違うって本当?

海外在住の相続人と日本在住の相続人とでは、基本的な遺産分割の流れは変わりません。 しかし、海外在住の相続人については、遺産分割協議に必要となる書類が通常と異なるということは必ず覚えておく必要があります。

それでは、海外に住んでいる人が用意しなければならない書類について詳しくみていきましょう。

Ⅰ 署名(サイン)証明書

(1)署名(サイン)証明書とは?どこで手に入る?

遺産分割協議書を作成する際に添付する実印の印鑑証明書は、日本国内に住民登録をしていないと発行してもらうことができません。

海外に長期滞在、永住している方は日本国内の住民票を抹消しているケースが多々あり、そのような場合は印鑑証明書に代わるものを用意する必要があります。それでは、どのような書類を用意すれば良いのでしょうか。

海外に住んでいる方が印鑑証明書に代わる書類として用意しなければならないのは、「署名(サイン)証明書」と呼ばれるものです。

署名(サイン)証明書とは、日本に住民登録をしていない、海外に住んでいる人に対して、「このサインは本人が書いたものです」と領事が証明したものです。

そのため、署名(サイン)証明書を手にいれるためには、自分が滞在している国の日本大使館や日本領事館といった公館に行き、申請をする必要があります。

一般的には、相続人が遺産分割協議書を大使館や領事館に持参し、領事のみている前で遺産分割協議書にサインし、領事がそれを証明するというプロセスをふみます。

(2)署名(サイン)証明書の種類

署名(サイン)証明書には2種類あり、そのそれぞれは形式や証明力に相違があります。詳しくみていきましょう。

1 形式1(貼付型)

1つ目の形式は、貼付型と呼ばれるものです。これは、遺産分割協議書といった書類を大使館や領事館に持参し、署名(サイン)証明書をそれに貼り付け、公印で割印するという方法です。

この形式は公印で割印するため、自分が持参した遺産分割協議書といった書類にしか使うことができず、他の目的に流用することができません。

しかし、後で説明する形式2の署名(サイン)証明書よりも証明力は強く、不動産の相続手続などでは、形式1の署名(サイン)証明書が利用されます。


(形式1のイメージ)

2 形式2(単独型)

2つ目の形式は、単独型と呼ばれるものです。これは、自分が持参した書類と署名(サイン)証明書を公印で割印するのではなく、印鑑証明のような形式です。


(形式2のイメージ)

形式2は形式1よりも証明力が弱く、一般的には銀行といった金融機関の口座の名義変更等を行う場合に利用されます。

(3)署名(サイン)証明書を手にいれるのには何が必要?

署名(サイン)証明書を手にいれるためには、わざわざ大使館や領事館といった公館に行く必要があることは既にご説明しましたね。それでは、公館に行く際に持っていかなければいけない物はあるのでしょうか?また、費用はどの程度かかるのでしょうか?

具体的には次の通りです。

【必要書類】
① パスポート
② 海外の住所が確認できる、運転免許証といった書類

※ 形式1を手に入れるためには、遺産分割協議書といった書類を持参しましょう!

【費用】
署名(サイン)証明書の値段は現地通過で支払う必要があります。日本円にすると、1500円〜2000円程度かかります。

(4)署名(サイン)証明書を利用する際の注意点

署名(サイン)証明書を利用する際には、必ず覚えておかなければいけない注意点があります。それは、海外に住んでいる人が、土地や家といった不動産を相続する場合は、「在留証明書」が必要になります。

これは、不動産を登記する手続の中で、相続人の住所を証明する書類が必要だからです。つまり、在留証明書は住民票の代わりのように使えるんですね。

それでは、在留証明書についても解説していきます。

在留証明書はどのようにして手に入れられる?

Ⅰ 在留証明書はどこで発行される?誰でも入手できる?

海外に住んでいる相続人が住民票の代わりとして利用することができる「在留証明書」はどこで手に入れることができるのでしょうか。

在留証明書は、署名(サイン)証明書と同様に、大使館や領事館といった公館で発行してもらうことができます。

在留証明書を発行してもらうために必要な条件と費用は次のとおりです。

【条件】
① 相続人が日本国籍であること
② 海外で3ヶ月以上滞在し、住所が公共料金の請求書といった公文書で明らかになっていること。または滞在期間が3ヶ月未満であっても、今後3ヶ月以上の滞在をする予定があること。

【費用】
費用は現地通貨で支払う必要があります。日本円に換算して1200〜1500円程度です。

Ⅱ 在留証明書を手に入れる際の注意点

在留証明書を手に入れる際には注意点があります。それは、在留証明書を相続登記で利用する場合です。

相続登記で在留証明書を利用する場合は、発行してもらう在留証明書に「本籍」を記載してもらう必要があります。

また、本籍が書かれている在留証明書を入手するためには、「戸籍謄本」を持参する必要があります。

相続登記に在留証明書を利用しようと考えている方は、必ず戸籍謄本を大使館や領事館に持っていきましょう。


(在留証明書のイメージ:在アメリカ合衆国日本大使館ホームページ(https://www.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/zairyu-shomei.html)より抜粋。

おわりに

今回のコラムでは、相続が発生した時に、海外に住んでいる相続人がいた場合はどのような手続をすればいいのか、必要書類や注意点をふまえて解説してきました。

相続人が海外に住んでいる場合、実印の印鑑証明書が無いケースが多々あります。そのような場合、日本に住んでいる人と海外に住んでいる人では遺産分割協議で必要な書類が変わってきます。

海外に住んでいる相続人は、例え大使館や領事館が自宅から遠かったとしても、必ずそのような公館に足を運び、署名(サイン)証明書や在留証明書を手に入れる必要があります。

事前に、自分の最寄りの大使館や領事館にはどのように行けば良いのかを確認しておきましょう。

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