今すぐ電話
LINE

任意後見とは?家族信託との違いやメリット・デメリットについて解説

2024年2月5日

 

 

1任意後見とは

認知症などで財産の管理が難しくなったり、自分に不利益な契約であることがわからないまま契約を結んでしまったり、ひとりでいろいろなことを決めることに不安がある方を保護し、支援する制度として、成年後見制度というものがあります。
成年後見制度には、任意後見制度と法定後見制度の2つがあります。

◆法定後見と任意後見 ①任意後見
あらかじめ「自分が選んだ後見人」に、将来ひとりで決めることが難しくなったときに、代わりにしてもらうことを、「契約」で定めておく制度
②法定後見
ひとりで決めることが難しくなったときに、「家庭裁判所に後見人を選んでもらう」制度

あらかじめ契約によって後見人を定めておくことができる点が、任意後見制度の大きな特徴です。
自分が元気なうちに、将来自分の判断能力が低下したときに備えて、契約を交わすという点で、家族信託と似ています。

2任意後見と家族信託との比較

任意後見と家族信託、似ている2つの制度を比較してみましょう。

(1) いずれも契約書の作成、締結が必要

任意後見、家族信託いずれの場合も、自分が元気なうちに契約書を作成し、契約を締結します。任意後見契約は公証役場において公正証書で作成する必要があります。家族信託契約に関しては公正証書である必要はありませんが、家族信託は長期的な財産管理を目的とした重要な契約であるため、公正証書によることが一般的です。

◆契約書
①任意後見契約
→公正証書での作成が必須
②家族信託契約
→公正証書での作成は必須ではないが、原則公正証書での作成すべき

(2)契約の効力発生のタイミングはそれぞれ異なる

任意後見契約は、契約締結してすぐに効力が発生するわけではなく、判断能力が低下した際に、改めて家庭裁判所へ申し立てることによって効力が生じます。本人の判断能力が衰え始めた際に、医師の診断を経て、家庭裁判所へ申し立てることになります。任意後見契約を締結しただけでは効力が生じないという点は、任意後見契約の大きな特徴です。契約したものの、効力を発生させることなく契約が終了する可能性もあります。
家族信託契約に関しては、基本的には契約を締結すると同時に効力が生じます。なお、契約の内容によって、効力発生のタイミングを調節することもできます。家族信託は始期や終期に関して、柔軟に設定することができるのです。

◆契約の効力発生
①任意後見契約
→判断能力が低下した際に、家庭裁判所への申立て
②家族信託契約
→自由に設定可能

(3)それぞれの制度が、お互いに補完的な役割を果たす

任意後見は、本人の判断能力が低下した際に、財産管理・法律行為・身上監護を本人に代わって支援することになります。これに対して、家族信託は、あくまで財産の管理を目的とする制度です。信託契約における受託者の立場では、福祉サービスの契約や施設の入所などの療養看護に関する契約は、対応することはできません。
いずれかの制度を利用しておけば、もう片方の制度は一切利用しなくてよい、ということにはなりません。財産の状況などに応じて、任意後見と家族信託をうまく組み合わせることが重要と言えるでしょう。

3任意後見のメリット

(1)本人が望んだ相手を後見人に選べる

任意後見制度の最大のメリットは、本人が望んだ相手に後見人になってもらえるという点です。これは同時に、「この人には後見人になってほしくない」という希望がある場合も、別の人(専門家など)を後見人にすることで叶えることができます。

(2)子供が障がいを持っている場合の財産管理

子供が未成年の間は、基本的に親が親権者として子供の財産管理を行います。しかし子供が成年となった後、その子供が障がいなどによって自分で財産管理を行うことが難しい場合は、成年後見制度を利用することになります。このようなケースにおいて、子供が未成年の間に任意後見契約を作成することで、子供が成年になった後でも、子をよく知る親が引き続き財産管理をすることが可能となります。

4任意後見のデメリット

(1)積極的な財産の活用が難しい

任意後見契約が発行すると、任意後見人は、契約で定めた代理権目録の範囲内で、代理権を行使することになります。財産の管理については、定期的に任意後見監督人への報告が必要であり、財産の柔軟な運用や処分をすることは難しいと言えるでしょう。
運用したい財産に関しては家族信託を利用することで、本人の財産から分離して受託者において管理・運用することが可能となります。

(2)法定後見制度で充分の可能性も

法定後見制度においても、家庭裁判所によって選任された専門家が後見人となり、本人の意思尊重義務・身上配慮義務のもと、本人の判断能力に応じて支援してくれます。
上記のメリットにおいて述べた通り、希望する後見人が特にいないのであれば、任意後見制度を利用しなくても、万が一の場合には法定後見を利用することが可能です。

5まとめ

任意後見と家族信託の比較を中心として、任意後見のメリット・デメリットを紹介しました。 これらの制度は似ていますが、いずれもお互いを補完しあう制度です。本人や周りの状況、財産の状況に応じて、使い分けることが非常に重要です。
また、遺言や死後事務委任契約など、任意後見や家族信託以外の制度も含めて総合的に判断する必要があります。その際、専門家も交えて相談するとより確実な生前対策ができるでしょう。

無料相談常時受付中!相続について何でもご相談ください。

当事務所では相続に関する無料相談を実施しております。
相続でわからないこと、お困りのことをお気軽にご相談ください。

お電話で無料相談を予約する:03-6281-9560
メール・LINEで無料相談を予約する方はこちらをクリック

 

千代田区・文京区・江東区・練馬区・板橋区(その他東京都内)にお住まいの方は、ぜひSAKURA司法書士法人 相続窓口手続きまでご相談ください。

 

 

無料相談のご予約

さくら合同事務所 コーポレートサイトへ