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相続トラブルと司法書士の役割|トラブルを避けるために司法書士ができること

普段は法的な手続きとは無縁の方であっても、相続は誰にでも発生する法的な事象となっています。

実は相続には、さまざまなトラブルが発生するリスクがあり、相続をつうじて初めて紛争を経験したという方も少なくありません。

こうした相続のトラブルにおける司法書士の役割と、トラブルを避けるために司法書士ができることについて、詳しく解説をしていきます。

SAKURA司法書士

【前提】相続トラブルが既に発生している場合は弁護士に依頼した方がよい

まず、前提問題として、決着のつかない相続トラブルは弁護士に依頼した方が良いケースが多いという点について、言及しておきます。

その理由としては、司法書士が対応することのできる法的手続きの範囲が限られているからです。

司法書士は主に登記を専門として取り扱う専門家となっているため、原則としてトラブルの解決に向けた交渉や訴訟などを担当することはできません。

そのため、相続が発生した段階で、すでに解決が難しいトラブルがある場合には、弁護士に依頼をした方が良いでしょう。


相続トラブルの基礎知識

一概に相続トラブルとはいっても、さまざまな種類のトラブルがあります。

遺言のように相続が発生する前の段階で行われていたものが問題になるような場合や、相続の手続きの過程で発生するものなど、多岐にわたります。

このようなトラブルを防止するためには、相続に関する基礎知識をしっかりと身につけておく必要があります。

(1)相続トラブルが発生する主な原因

相続でのトラブルが発生する原因にはさまざまなものがあります。

映画やドラマなどで資産家の家庭における相続トラブルのシーンが描かれることが多いため、一般的に相続トラブルはお金のある家庭で起きると考えられがちですが、実際には総財産が5,000万円以下の家庭でも多発しているのが実情です。

トラブルの原因の1つとして相続内容の不透明さや遺言の不公平さがあげられます。

相続財産の内容が不透明となっていると、相続人の間でお互いに隠している財産があるのではないかと、疑心暗鬼になってしまい、トラブルとなってしまう可能性があります。

また、遺言は被相続人の意思が反映される重要な書面ですが、その内容が不公平に感じられる場合には、相続人同士の関係が険悪になってしまうことがあります。

その他には、現金や預貯金のような分割可能な財産がほとんどなく、分割の難しい不動産が相続財産の大半を占めているような場合にも、相続人の間で不公平が生じてしまい、トラブルへと発展するケースがあります。

相続での話し合い(遺産分割協議)は、相続人の全員で行わなければなりませんが、関係性が希薄な相続人がいるような場合には、全員での話し合いや同意をすることができず、なかなか決着がつかないというケースもあります。

また、寄与分という、被相続人の存命中に、被相続人の介護や財産管理などを行なっていた方への、報酬的な役割となる財産についても、トラブルの原因となることがあります。

(2)遺産分割協議や相続手続き上の課題

上記で触れたように、相続においては遺産分割協議においてトラブルが発生することが非常に多くなっています。

遺産分割協議を行う際には、相続人全員が揃う必要がありますが、兄弟姉妹の中に連絡が取れない方や、普段からあまり関わりのない親戚がいる、といったように全員を揃えるのがなかなか難しい場面があります。

また、全員が揃った場合であっても、どのようにして遺産を分割するかという話し合いで、揉めてしまうことも考えられます。

このように遺産分割協議が調わないことによって、相続手続きにも課題が出てきます。

土地や建物などの不動産が相続の対象となっている場合には、遺産分割協議によって誰が不動産を承継するかを決定し、その協議書をしっかりと作成しておく必要があります。

しかしながら、相続人が揃わない、協議が終わらないといった事態が発生することによって、相続手続きに遅れが生じてしまいます。

特に不動産の場合であれば、第三者を巻き込んだトラブルにも発展してしまう可能性があるため、特に注意が必要となります。

(3)トラブル予防に必要な知識と準備

トラブルを予防するためには、最低限、上記でも述べた遺産分割協議には相続人全員の参加が必要であるという知識が必要となります。

そして、トラブル防止のための準備としては、被相続人が亡くなる前に相続人となりうる人物をしっかりとリストアップしておき、連絡を取れる状態にしておくことが必要となります。

また、遺言書の作成などによって、トラブルを防止することができます。しかし、遺言書にはすでにお話ししたように、不公平な内容が記載されることによって、トラブルに発展する可能性があるため、遺言書作成の際には、司法書士などの専門家に依頼をしておくと良いでしょう。

他の相続人の所在がわからない場合であっても、司法書士などの専門家に調査を依頼することによって、連絡を取ることが可能となる場合があります。


司法書士が果たす役割と依頼できる業務内容

相続でのトラブルを防止するには、事前事後に司法書士に依頼をするのも1つの手段となっています。

では、実際に司法書士が相続において果たすことのできる業務内容には、どのようなものがあるのかについて、詳しく解説をしていきます。

(1)相続登記や名義変更の手続き

司法書士は、法律分野の中でも、特に登記を取り扱っています。

相続によって土地や建物などの不動産を承継した場合には、直ちに相続登記を行う必要があります。

相続登記によって不動産の名義を変更することによって、後にトラブルに発生するのを防ぐことが可能となります。

相続発生後に、登記が移転していないことを利用して、勝手に第三者に売却をしてしまう方が、時折いらっしゃるため、相続発生後は速やかに遺言や遺産分割協議にしたがって、相続登記を完了させるようにしておきましょう。

(2)遺言書作成や遺産分割協議書の支援

司法書士などの法律関連の士業は、法律のプロフェッショナルであると同時に、書面作成の専門家でもあります。

そこで、遺言書や遺産分割協議書などの書面の作成する際に、手助けをすることも可能となっています。

特に遺言書に関しては、方式をしっかりと守らなければ、効力を生じないため、しっかりと専門家にチェックをしてもらうことが重要となります。

また、遺言にはいくつかの種類があり、その中でも公正証書遺言と呼ばれる方式の遺言は、改竄、隠匿、破棄などのおそれがないものとなっており、大変おすすめの方法となっています。

公正証書遺言を作成する際には、証人が必要となりますが、司法書士に書面の作成だけではなく、証人になることを依頼することもできるため、ぜひ活用されることをご検討ください。

(3)相続人調査や書類作成のサポート

遺産分割協議の際に、行方のわからない相続人がいると、手続きを進められないというお話をしました。

そのため、相続人となる者を事前に調査しておくことで、トラブルを回避することができますが、なかなか個人で調査をするのは難しい場合があります。

そこで、司法書士に相続人調査を依頼することが可能となっています。

司法書士が役所などから、相続人の特定に必要な戸籍謄本などを取り寄せることにより、実際に誰が相続人であるかを明確に特定することができます。

また、そのまま遺産分割協議などを行う場合には、そのまま遺産分割協議書の作成などの書面作成のサポートも受けることができるため、しっかりとミスなく手続きを進めたい場合には、大変おすすめとなっています。


司法書士に依頼するメリット

相続人の特定や遺言書、遺産分割協議書の作成については、専門家に依頼をしなくても、個人で行うことができます。

それでも、専門家である司法書士に依頼するメリットは、どのようなものがあるのかについて、詳しく解説をしていきます。

(1)相続手続きの効率化と迅速な対応

個人で相続人を特定しようとしたり、書面作成を行ったりする場合には、事前に調べなければいけない情報が多くなってしまいます。

特に被相続人が亡くなられた後は、忙しくなってしまうことも多いでしょうから、手間や時間がかかるのは避けたいといった方がほとんどかと思います。

そこで専門的知識を有する司法書士に依頼をすることによって、スムーズに手続きを進めることが可能となっています。

(2)弁護士費用と比べて安価でコストパフォーマンスが高い

訴訟などに発展する可能性がない場合には、弁護士に手続きを依頼するよりも、司法書士に依頼をする方が、安価に済む場合があります。

特に相続登記については、複雑な権利関係となってしまうことがあり、司法書士でなければ対応できないこともあります。

弁護士に依頼をした場合であっても、司法書士事務所と連携していない事務所である場合には、別途登記を司法書士に依頼しなければならないことがあるため、訴訟リスクのない場合には、最初から司法書士に依頼をしておいた方が良いといえるでしょう。

(3)相続トラブル防止のアドバイス

司法書士への相談は、相続の発生前でも行うことができます。

そのため、相続手続きに不安がある場合には、事前に司法書士からトラブル防止のアドバイスを受けておくと良いでしょう。

相談をした司法書士事務所であれば、事情を理解しており、実際に何かの手続きを依頼する場合には、スムーズに進めることが可能となる場合があります。


司法書士に依頼する注意点

司法書士は法律の専門家ではありますが、一部行うことができない業務もあるため、注意が必要となります。

実際に司法書士に依頼をする際の注意点について、詳しく解説をしていきます。

(1)交渉や調停を行えない制限がある

司法書士は登記や書類作成を専門的に取り扱っている法律実務家であり、交渉や調停などについては、弁護士が独占的に取り扱っている業務となっています。

そのため、相続の場面における交渉や調停、またその後の裁判手続きなどについては、司法書士では対応することができないため、注意が必要となります。

(2)複雑な相続問題への対応限界がある

司法書士は一般的な相続問題については、対応可能となっていますが、複雑なものとなっている場合には、対応が難しい場合があります。

上述したように、司法書士はあくまで登記や書類作成の専門家であるため、複雑な事件の解決は対応に限界がある場合があります。

(3)専門家への早期相談の重要性

相続関連の問題が発生した際には、早期に専門家に相談することを推奨しています。

その理由としては、司法書士に対応をお願いしようと思ったが、交渉や調停などが必要となってしまう場合や、複雑な問題となっている場合には、別途弁護士に依頼をする必要があるからです。

早期相談をしないと、より問題が複雑化してしまったり、解決までの期間が長期化してしまったりする可能性があります。


司法書士と他士業の違い

司法書士に依頼をする際の注意点として、司法書士では対応することができない業務があるというお話をしました。

相続を依頼する際には、司法書士だけではなく、他の士業にも依頼をしなければならない場面があります。

そのため、司法書士とそれ以外の士業との役割の違いについても、しっかりと理解しておくとスムーズに手続きを進めることが可能となります。

(1)弁護士との役割分担と連携の重要性

弁護士と司法書士との決定的な違いは、訴訟手続きをすることができるか否かという点にあります。

上述したように、複雑な問題を抱えている場合には、弁護士の方が訴訟手続きをすることができるという点で、司法書士よりも弁護士に依頼をした方が良いといったこともあり得ます。

他方で、相続登記は複雑なものとなることが非常に多くなっているため、弁護士では登記業務を遂行することが難しい場合もあります。

そのため、相続問題が解決した場合であっても、その後の登記手続きについては、司法書士に依頼をした方が良いでしょう。

ここでポイントとなるのは、司法書士事務所、もしくは弁護士事務所がそれぞれ連携しているかどうかという点です。

司法書士と弁護士の連携がなされていない事務所の場合には、手続きの完了まで時間がかかってしまうだけではなく、金銭面での負担が大きくなってしまうこともあります。

そのため、相続問題が発生した場合には、他の士業との連携がどうなっているかを、ホームページなどで事前に情報収集しておくと良いでしょう。

(2)税理士や行政書士との比較と協業の事例

相続の場面においては、相続税の申請のために、税理士に依頼をしなければなりません。

司法書士や弁護士は法律の専門家ではありますが、税金の専門家ではないため、別途依頼をする必要があります。

相続を専門的に取り扱う弁護士事務所や司法書士事務所では、税理士との連携を行なっているところも少なくありません。

税理士との連携についても、事前にホームページなどで調べておくと良いでしょう。

行政書士については、司法書士よりも取り扱うことのできる業務がさらに狭まっていますが、連携をすることによって、よりスムーズに手続きを進めることが可能となっています。

行政書士という名前の通り、役所等の行政関連の手続きに明るいため、必要な公的資料の収集などを行政書士が進める傍らで、司法書士が手続きの準備を進めることができるため、スムーズな手続きを実現できるようになっています。

(3)ケースごとに適切な専門家を選ぶ基準

少なくとも相続の場面においては、最低限として司法書士と税理士への依頼が必要不可欠であり、実質的にマストとなります。

弁護士が必要となる場面については、遺産分割の交渉がうまくいかない場合や、第三者が相続財産を所有してしまっている場合など、交渉、調停、訴訟の可能性が少しでもある場合となります。

上記のような可能性が少しでもある場合には、最初は弁護士事務所に相談をしてみると良いでしょう。


相続トラブル予防と効果的な相続対策

ここまでお読みになられた方の中には、なるべく相続トラブルを予防したいと思われた方が多くいらっしゃると思います。

そこで効果的な相続対策について、いくつかご紹介をさせていただきます。

(1)生前贈与や遺言書の活用

まずは生前贈与や遺言書の活用についてです。

土地や建物などの不動産については、遺産分割協議の際に揉める原因となりやすいため、被相続人と相続人の間でしっかりと話し合いを行なって、生前贈与を済ませておくと良い場合があります。

また、生前贈与では年間110万円までであれば、贈与税がかからないため、事前に相続人に生前贈与をしておくことによって、相続税の節税対策につながるため、大変おすすめとなっています。

遺言についても、極端に不公平な内容にしなければ、相続でのトラブルを防止するための手段となります。

特に相続分を少なく指定した相続人に対しては、その理由についても記載をすることができるため、納得をしてもらうことも不可能ではありません。

(2)専門家との連携による対策の利点

生前贈与における節税対策や遺言書などについては、専門家と連携して対策をすることができます。

専門家と連携をすることによって、間違いが起こりにくく、さらなるトラブルの防止にも繋がります。

特に遺言書については、書式を間違えていないか、しっかりと専門家に確認をしてもらう必要があります。

自筆証書遺言という方式であれば、必ずしも専門家の協力が必要なわけではありませんが、ご自身で作成されるよりも確実な手段となるため、大変おすすめとなっています。

(3)家族間コミュニケーションの重要性

相続の発生前から、家族間でしっかりとコミュニケーションを取っておくことも重要となります。

連絡の取れない推定相続人がいる場合であれば、なおさら早い段階でコミュニケーションを取っておくと良いでしょう。

また、事前に経済状況や親の監護状況などを踏まえた上で、相続分について話し合いをしておくと、遺産分割協議におけるトラブルを防止することも可能となります。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

相続の場面では、司法書士と税理士に依頼をすることは必須であり、状況に応じて弁護士にも依頼をする必要があります。

そのため、相続に関する依頼をする場合には、他の士業との連携がとられているかという点も、司法書士選びの基準にすると良いでしょう。

SAKURA司法書士法人では、税理士や弁護士を含む、さまざまな専門家と連携を行っておりますので、現在相続でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談にお越しください。

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