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遺産分割協議の流れー遺産分割協議でもめ事が発生した時の解決方法

ご家族が亡くなった後に遺産がある場合、残されたご家族(相続人)で遺産の分け方を話し合わなければいけません。この相続人全員で遺産の分け方を話し合うことを遺産分割協議といいます。
ただ、遺産の分け方について相続人同士の納得がいくようにしないともめる事もあります。

今回は、遺産分割協議の流れと、もし、もめ事が発生した時の解決方法などについて解説します。

遺産分割協議ってどうやるの?

遺産を分ける時は、「誰が何をどのくらい相続するのか」を決めるので、相続人同士で、もめる事があります。そのため、遺産分割協議を進める時は次のような手順で進めると良いでしょう。

遺言書があるか確認する

遺言書がある場合は、遺言書どおりに相続するのが原則です。遺言書どおり相続する事になるので遺産分割協議を行う必要もありません。
ただ、相続人全員で遺産分割協議を行って、遺言書の内容と異なる遺産の分け方をすることもできます。

相続人が何人いるか調査する

先ほど解説した通り、遺産分割協議は相続人全員で話し合わなければいけません。そのため、誰が相続人なのかを調査しないといけません。このことを相続人調査といいます。
相続人調査をする時は、亡くなったご家族の戸籍謄本を本籍地の役所から取り寄せます。戸籍謄本には、亡くなったご家族の出生から、婚姻、家族関係などが記載されています。戸籍謄本を見れば誰が相続人なのか確認することができます。なお、2024年に改正で本籍地以外の戸籍謄本も一括して収集できるように簡略化される見通しです。

【ワンポイントアドバイス】

<未成年の子が相続人の場合の対応> 遺産分割協議をする時に未成年の子がいる場合、基本的には法定代理人の親が代行します。ただ、親と子が相続人の場合、親が子よりも多く遺産を取る(これを利益相反といいます)…そういうこともあり得ます。
それを防ぐために特別代理人を選任します。特別代理人は子の代理として親と遺産分割協議をして相続方法を決めることが可能です。
一般的には相続人ではない親族を特別代理人にすることが多いですが、適任者がいない場合は司法書士などの専門家が特別代理人になることもあります。

相続財産がどのくらいあるか調査する

相続財産には、不動産や現金、有価証券などプラスの財産、住宅ローンや借金などマイナスの財産(負債)があります。相続財産がどのくらいあるかの調査と、相続財産の評価をすることを相続財産調査といいます。
代表的な相続財産調査は次のとおりです。

<預貯金の調査方法>

亡くなったご家族の通帳やキャッシュカードを探し、どこの金融機関と取引していたのかを確認します。通帳があれば記帳をして亡くなるまでどんな相手と取引していたのかを把握することができます。
金融機関を特定したら、残高証明書の発行を依頼します。残高証明書の取得は相続人全員が共同して行う必要はなく、相続人1人からでも請求は可能です。

<不動産の調査方法>

不動産の売買契約書、権利証(登記識別情報・登記済証)などが保管されていないかを確認します。または、不動産がある場合、毎年、固定資産税の納税通知書が役所から送られてくるので、その納税通知書で確認することもできます。
権利書や納税通知書が見つからない場合は、役所で名寄帳を申請すると、所有している不動産の情報が一覧で確認できます。
ただ、名寄帳には市区町村内の不動産しか記載がないため、複数の市区町村に不動産を所有している場合にはそれぞれの市区町村に申請する必要があります。

※「名寄帳」とは、課税対象になっている土地や家屋を所有者ごとにまとめた一覧表です。

<有価証券の調査方法>

亡くなったご家族が有価証券を持っていた場合は、取引していた証券会社から残高証明書を取り寄せすると、どの証券銘柄と株数を把握することができます。
ただ、有価証券を持っていることは知っていても取引していた証券会社がわからない場合もあります。その時は、証券保管振替機構(ほふり)に対して情報開示請求を行うことで、どこの証券会社と取引していたのかわかります。

<負債の調査方法>

負債(借金)については、亡くなったご家族の持ち物に、借用書や借入残高が記載された書類がないか、税金の未納通知書、督促状がないかを確認します。
また、借金の借入先がわからない時は、信用情報登録機関に照会するという方法もあります。国内の信用情報登録機関は、全国銀行個人信用情報センター、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)です。各社のホームページを見ると、信用情報を開示する時の手続き方法や必要書類などが記載されています。

相続人全員で遺産の分け方を話し合う

相続人と相続財産を把握したら、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。
なお、先ほど解説した通り遺産分割協議は必ず相続人全員でおこなう必要があり、相続人が1人でも欠けた状態で実施すると無効になります
ただ、必ずしも相続人の全員が顔を合わせる必要はなく、遠方に住んでいるので参加できないといった場合は、電話やメールなどを使って話し合うことも可能です。

重要なことは相続人全員が遺産分割協議に合意(賛成)しているかどうかです。

遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議で相続人全員が合意し、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書の作成方法に決まりはなく、パソコンで作成しても、手書きでも構いません。
作成する時は以下の3点がポイントとなります。
①財産の内容と相続人を特定しておく
②相続人全員の名前を記載する
③印鑑証明を受けた実印を押す

なお、不動産であれば所在地面積、預貯金であれば口座番号などを正確に書くことが重要です。

遺産分割協議でもめた場合

遺産分割協議、遺産分割協議書の作成方法について解説してきましたが、遺産分割協議では相続人全員がスムーズに合意するとは限りません。もめる事もあります。
もし、もめ事が発生してしまったら遺産分割調停遺産分割審判で遺産分割を決めることになります。

遺産分割調停とは、家庭裁判所の審判官と2人以上の調停委員からなる調停委員会の立ち合いのもとに行われる話し合いです。
遺産分割審判とは、審判官が家事審判法にもとづいて進める審理(事実関係や法律関係を明らかにすること)のことです。

遺産分割協議でもめて収拾がつかなくなった時の流れとしては、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをします。申し立て先は、相続人の住所地を管轄する家庭裁判所です。
遺産分割調停では、調停委員会が相続人一人ひとりの意見を聞いて、適切な助言をして話し合いが合意したら調停調書にまとめます。調停調書は判決と同じ効力を持っているので、これにしたがって遺産分割を行います。

遺産分割調停で話がまとまらなかった場合は遺産分割審判を行うことになります。審判官が財産の種類や相続人の意見を聞いて分割方法について審判を下します。よって強制的に遺産分割することになります。

【ワンポイントアドバイス】

<隠し子も相続割合は同じ>
かつて、婚姻関係がある男女間に生まれた嫡出子と、婚姻関係がない男女間に生まれた非嫡出子(いわゆる「隠し子」)は区別されており、非嫡出子の相続割合は2:1でした。ただ、生まれた子どもには非嫡出子か嫡出子かの状況を選べるわけではないなど様々な意見があり、平成25年12月に民法が改正され、非嫡出子も嫡出子と相続割合が同じになりました。注意点としては、相続できるのは認知されている非嫡出子です。
亡くなったご家族に非嫡出子がいた場合は遺産分割でもめる可能性が高いため、早めに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

遺産分割協議の流れ、遺産分割協議でもめ事が発生した時の解決方法などについて解説してきましたが、仲が良かった親族同士で遺産分割についてもめる事は悲しいことですし、一度もめてしまうと最悪絶縁関係になってしまうこともあります。
そのため、生前に遺言書を残しておくことや、遺産分割協議は司法書士など専門家に相談しながら進めるともめる事も少なくないかと思われます。

SAKURA司法書士法人であれば、相続に関する手続きの代行や、相続トラブルが起きないないようにするにはどうしたらいいのかについて、その人の状況に合わせて的確なアドバイスをすることが可能です。

仮に相続人同士で揉めた場合については、弊所提携の弁護士をご紹介いたします。

ご相談お待ちしております。ご相談ご希望の方は、電話やメールフォームなどからご連絡ください。

《参考文献》
・『いちばんわかりやすい相続・贈与の本』(成美堂出版)
・法務省HP(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001388912.pdf)
・各地方自治体のHP(立川市)(https://www.city.tachikawa.lg.jp/kazei/kurashi/zekin/koteshisan/kyotsu/nayorotobari.html )
・各地方自治体のHP(江東区)(https://www.city.koto.lg.jp/060303/souzokukoseki.html)
 など

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